一房の葡萄
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毎月、「致知」という雑誌に連載されている、鈴木秀子先生の「人生を照らす言葉」というエッセイの挿絵を描かせていただいています。

とても小さなカットなのですが、毎回、無い知恵を振り絞って、ネットで資料を探したりしながら、なんとか描いています。

文章に絵をつける場合、ダンスの振付で、歌詞のまま踊る「当てぶり」と同じように、文章の内容そのままの何かを描く方法と、内容や出てきたものを展開させる描き方とがある気がしています。

できれば、あまり当てぶりにはせずに、様々に展開していくのが醍醐味かと思います。

でも、今回はかなり、そのまんま、当てぶりです。テーマが、有島武郎の「一房の葡萄」を扱っていたので、葡萄と、主人公の少年が盗んでしまった絵具です。

この物語に出てくる絵具は、私も使っているイギリス製のウィンザー&ニュートンだということは、以前何処かで聞いていたので、家にある絵具を描こうと思ったのですが、ふと、もしかしたらチューブではなく、固形ではないかと思って調べてみたのです。

ありました!物語の中にちゃんと書いてあったのです。

「ジムというその子の持っている絵具は舶来の上等のもので、軽い木の箱の中に、十二種の絵具が小さな墨のように四角な形にかためられて、二列にならんでいました。」

やはり、パンと呼ばれている固形のものですね。一つ一つ、きちんとキャラメルのように紙で包んである美しい絵具です。危うくチューブを描いてしまう所でした。まあ、些細なことなのですが、(チューブを描いても誰も文句もいわないでしょうけれど…)、そんなことにもこだわりたいのです。

今回は、ホルベインのプロカラーIIというペン 0.1mmで描きました。最近のお気に入りです。

そうそう、先日、沖縄に行った時に入ったカフェに、この雑誌が置いてあって、自分の絵に思わぬ所で遭遇しました。嬉しさ半分、絵はまだまだでした。

ペンだけなので、線に味を出したいものです。この前見たクレーの線は素晴らしかった。

ペンだけで描くのも、シンプルなだけに奥が深いんですね。
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by *mino* | by sakuradome | 2011-07-08 11:26 | ペン画
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