昨日は、親友と鎌倉に行ってきました。 鎌倉は私が大学生の頃を過ごした場所でもあります。父も母も元気で、私も弟も大学生になり、楽しかった思い出が沢山あります。 父が亡くなって、私も弟も住むことはなく、結局数年前に弟が売りました。それがいつだったのか、なんだか思い出せないのですが、それ以来、ここ数年私は鎌倉には行っていませんでした。まして、実家があった場所に新しい家があるのを見るのがつらくて、行かないでいたのです。 でも、昨日とうとう行きました。友達が運転をしてくれて、サクッと行きました。よく能楽師の声が聞こえたお屋敷は、すっかり荒れ果てて、源氏物語の末摘花の屋敷はこんな感じだったのかなと思わせるような風情で、麦畑があった所は、沢山の新しい家が建っていて、そして、いよいよ実家のある所に行ったら、そこには私の記憶とは全く別の家があり、なにひとつとして思い出と一致しない景色でした。 もう、ここに私の家はないのだと切ない気持ちになりましたが、思い出の中にはありありと在りし日の父の姿も、元気だった頃の母もいて、それでいいのだと自分に言い聞かせました。この世は変化しないものは何もないんですね。 その後、海の方へ。波は荒れていて、ウインドサーフィンの人にとっては最高の波なのかなと思いましたが、すごいスピードで海の上を滑っていました。 日影茶屋のラ・マーレ・ド・チャヤでランチをしました。それが、上の絵です。 私のはホットドッグ。絵を描いてから食べたら冷めてしまって、作った方に申し訳なかったけれど、美味しかったです。海を見ながらスケッチは最高! そして、今度は鶴岡八幡宮へ! ここも、どれほど来たことか…。家から駅に行くとき、徒歩だと必ず通っていました。階段の横の大銀杏は倒れてしまったけれど、元の場所の少し横にちゃんとあって、新しい芽が出ているようでした。感動的でした。 八幡宮の舞殿を描きました。ここは白拍子の舞などが今でも行われる場所です。 鳶が風に乗ってゆっくりと弧を描いていて、風がさらさらと葉をゆらし、人は沢山いるのに静けさも感じられ、沢山の思い出が切なくよみがえり、なんとも言えない気持ちでした。 いつも、御用聞きに来てくれた八百屋のお兄さんが、お店の前にいて、あんなにすっとして結構格好良かったのに、すっかりおじさんになっていて、中年でした。年月を感じた瞬間。 最後は小町通りを歩いてから帰りました。 タイムマシンに乗って昔に戻ったような、でも、そこは自分が知っている場所とは少し違っているという不思議な経験でした。鎌倉に行かなかったのは、たかが数年のことなのですが、父が入院していたときも毎日行っていたから、突然行かなくなって、私は封印していたのかな。 人生はあっという間ですが、思い出は濃密にありますね。なんとも言えない不思議な体験でしたが、私の中にある記憶は、とても大切な宝物なんだなあと改めて思いました。 by *mino* |
by sakuradome
| 2012-04-06 17:00
| 水彩画
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