毎月の月刊「到知」の『人生を照らす言葉』の挿絵です。 今回は、芥川龍之介の「トロッコ」です。 少年の頃、どうしても乗ってみたかったトロッコに乗ることができて、楽しくて夢中でいるうちに、遠くまで行き過ぎてしまい、一転心細くて涙をこらえながら走って家をめざし、やっと家に戻るなり大泣きして母親に抱きしめられるという短い物語の中で、少年の心がとてもうまく表現されています。 そして、大人になった彼のことを「塵労に疲れた」と芥川は表現しているのですが、大人になるに連れ厳しい現実で絶望したり疲弊したりしながら人は生きていきます。 そんな中でも、心細かった自分を抱きしめてくれたあたたかい母親の無条件の愛情と同じものに実は囲まれていることを意識することで、人生に光があることを示唆しているという内容です。 子供の頃のなんともいえない心細さを上手く描いていることに驚き、それをどう絵にするか悩みましたが、少しファンタジックな世界にしてみました。 人間は、大人になっても時に子供の頃と同じくらい心細いときもあるものです。せめて絵の中だけでも、夢のように幻想的にしたくなりました。 トロッコの行き着く先は、あたたかい母親の無条件の愛情のような世界であることを願って…。 by *mino* |
by sakuradome
| 2012-06-07 02:58
| ペン画
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