カテゴリ:ペン画( 16 )
by *mino* |
牧場(今月の挿絵)
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月刊「到知」2月号、「人生を照らす言葉」のイラストは、ロバート・フロストの「牧場」という詩に因んだものです。

牧場の泉を掃除しに行ってくるよ。
ちょっと落葉をかきのけるだけだ。
(でも水が澄むまで見てるかも知れない)
すぐ帰ってくるんだから- 君も来たまヘ

小牛をつかまへに行ってくるよ。
母牛(おや)のそばに立ってるんだがまだ赤ん坊で
母牛が舌でなめるとよろけるんだよ。
すぐ帰ってくるんだから- 君も来たまヘ


このような詩です。

すべての生命の源となる、こんこんと湧き出る美しい泉の水と小牛と母牛の関係が表す、人と人との絆。そういったものが、人間にとって根本の生きる力となるという内容です。

またしても、超がつくほど難しかったです。スケジュール的に徹夜になってしまって、なかなかアイディアが降ってきませんでした。

なんということのない情景を描いた詩ですが、どこかほっとしますね。湧き出る泉に映る光や、空の輝きから、生きる力を感じていただけるといいのですが…。

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by *mino* | by sakuradome | 2011-12-10 01:14 | ペン画
山月記の挿し絵
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今月(実際は1月号)の月「到知」の『人生を照らす言葉』のテーマは、中島敦の「山月記」でした。

これは、なかなか苦労しました!中国の古典「人虎伝」を下敷きに書かれた昭和初期の小説で、主人公が、虎になってしまう話ですので、そのまま虎を描くというのはどうなのかと悩みました。

主人公の臆病な自尊心と尊大な羞恥心と、コントロールしがたい欲望が、虎という猛獣によって象徴されていますが、最後には自己の弱さを受け入れた姿として、尊厳を取り戻した主人公の姿を絵にするのは…、決して簡単なことではなく…。

虎の姿になった主人公が叢に潜んでいる姿を思い浮かべ、虎の模様と草の形を重ね、虎の目の表情で、主人公の様々な思いをあらわそうと思いましたが、結構今回は苦しみました。

もっと強くシャープに描きたかったのですが、時間切れです。

また頑張ります。

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by *mino* | by sakuradome | 2011-11-09 16:57 | ペン画
「よだかの星」の挿し絵
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今月(実際は12月号)の到知の「人生を照らす言葉」のテーマは、宮沢賢治の「よだかの星」でした。

久しぶりに、原作も読んだのですが、不思議ですね、読んでいくうちに文章のリズム感と内容の深さが心地よく、どんどん引き込まれていきました。そして、なぜかとても色を感じました。

この連載を執筆されている鈴木秀子先生は、文学療法と言って、文学に触れることで人間性を蘇らせるということをされるのですが、鈴木先生の解釈は本当に素晴らしくて、以前、私は先生の聖書の解釈を聞いて、密かに泣いてしまったことがあるくらいです。

今回も沢山の方に読んでいただきたいなあと思います。

いじめられ、蔑まれて、つらい思いをしたよだかが、それでも懸命に人生を生きて、最後には星になって輝き、今度は周囲を照らす姿が描かれています。

イラストの方は、今回はあまり展開させず、そのままです。

正直、自分では納得行かないのですが、時間的に妥協しました。仕方ないです。そういうこともあります。

今回、ペン(万年筆型のアートペン)で描こうとしたのですが、少し太すぎて、結局いつものニードル型のペンと両方使いました。白と黒の世界をもっと効果的に表現したいのですが…。精進します…、はい。

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by *mino* | by sakuradome | 2011-10-07 20:47 | ペン画
泣いても良いときは泣くのがいい
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毎月のイラスト、月刊『致知』の11月号連載「人生を照らす言葉」の今回のテーマは、芥川龍之介の「手巾」でした。

受け入れ難い悲しみに、どう向き合えばいいのかを、文学博士の鈴木秀子先生が胸を打つ解釈で書いていらっしゃいます。

小説には、息子を亡くした母親がまるで何事もなかったかのように語る姿、けれども、ハンカチを握る手の震えに、その母親が全身で泣いていることを知る、というシーンが描かれています。

悲しみを露わにしない日本の女性の武士道と、芥川は書いています。

鈴木先生は、今回の震災の切ないエピソードと重ね、泣いてもよい時は泣くのがよい、そして、受け入れ難いことも受け入れて行く力について書かれています。

震災のエピソードは切なくて、読みながら泣けました。

これをイラストにするのは、どうしたものかと頭を抱えましたが、破れた心の中の悲しみを一人静かに受け入れて行く姿を描きたいと思い、こんな風になりました。

絵で、このような仕事ができるのは、ありがたいことです。毎回、難しくてどうなるかと思いながら、なんとか描いています。

最近、担当の編集者の方が若い女性に変わったのですが、メールのやりとりの際に、ちょっとした励ましの言葉を書いてくれるのです。

それだけで、俄然やる気の出る単純な私ですが、彼女の思いやりにも感謝です。

関わっている全員が、この連載に心を込めて作っている気がします。

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by *mino* | by sakuradome | 2011-09-12 23:09 | ペン画
今月のイラストは…
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毎月の月刊到知のイラストです。今回は、森鴎外の「高瀬舟」がテーマになっています。島流しになる罪人が、不思議と晴れやかな清々しい様子なのを訝しく思う同心。月夜の高瀬舟での情景です。

すへてを失った主人公の喜助はどこか運命を受け入れています。何もかも失った時に、逆に魂が輝くということを、今回の被災した方々と重ねて描かれた素晴らしいエッセイです。

この挿絵は、なかなかアイディアが湧かずに困りましたが、なんとか象徴的に描くことにしました。

月の光、川の流れ、魂の輝き…。

それにしても、ドラフトも含めて、6カットも描いてしまいました。普段はこんなに描かないのですが、微妙に納得できず…。

なにが違うのか端から見たらわからないですよね。もう、自分の中の小さな世界でのあがきです。

さあ、また油彩とパステルに戻ります。

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by *mino* | by sakuradome | 2011-08-08 20:23 | ペン画
一房の葡萄
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毎月、「致知」という雑誌に連載されている、鈴木秀子先生の「人生を照らす言葉」というエッセイの挿絵を描かせていただいています。

とても小さなカットなのですが、毎回、無い知恵を振り絞って、ネットで資料を探したりしながら、なんとか描いています。

文章に絵をつける場合、ダンスの振付で、歌詞のまま踊る「当てぶり」と同じように、文章の内容そのままの何かを描く方法と、内容や出てきたものを展開させる描き方とがある気がしています。

できれば、あまり当てぶりにはせずに、様々に展開していくのが醍醐味かと思います。

でも、今回はかなり、そのまんま、当てぶりです。テーマが、有島武郎の「一房の葡萄」を扱っていたので、葡萄と、主人公の少年が盗んでしまった絵具です。

この物語に出てくる絵具は、私も使っているイギリス製のウィンザー&ニュートンだということは、以前何処かで聞いていたので、家にある絵具を描こうと思ったのですが、ふと、もしかしたらチューブではなく、固形ではないかと思って調べてみたのです。

ありました!物語の中にちゃんと書いてあったのです。

「ジムというその子の持っている絵具は舶来の上等のもので、軽い木の箱の中に、十二種の絵具が小さな墨のように四角な形にかためられて、二列にならんでいました。」

やはり、パンと呼ばれている固形のものですね。一つ一つ、きちんとキャラメルのように紙で包んである美しい絵具です。危うくチューブを描いてしまう所でした。まあ、些細なことなのですが、(チューブを描いても誰も文句もいわないでしょうけれど…)、そんなことにもこだわりたいのです。

今回は、ホルベインのプロカラーIIというペン 0.1mmで描きました。最近のお気に入りです。

そうそう、先日、沖縄に行った時に入ったカフェに、この雑誌が置いてあって、自分の絵に思わぬ所で遭遇しました。嬉しさ半分、絵はまだまだでした。

ペンだけなので、線に味を出したいものです。この前見たクレーの線は素晴らしかった。

ペンだけで描くのも、シンプルなだけに奥が深いんですね。
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by *mino* | by sakuradome | 2011-07-08 11:26 | ペン画